当社は五島の本社に加えて、鹿児島や和歌山、北海道にも事務所があります。
今年度も引き続き各事務所の様子を、従業員の仕事ぶりやその土地の風景、魅力等とあわせて発信して行きますので、どうぞお楽しみに!
5月は本社内にあるオペレーションセンターからのお便りです。
土に触れる幸せ 〜野菜作りと果樹のある暮らし〜
仕事が休みの日、私は庭の畑と鉢植え果樹の世話に精を出します。晴れた空の下、土に触れると、日々の疲れがすっと消えていくような気がします。私にとって野菜作りと果樹栽培は、単なる趣味ではなく、生活のリズムを整えてくれる大切な時間です。
今の時期、畑では玉ねぎがちょうど収穫の真っ盛り。今年は天候にも恵まれ、見事な豊作となりました。中でも嬉しかったのは、土作りの成果が実ったこと。昨年、植え付けの前に乳酸菌と納豆菌を自家培養して圃場に散布したところ、土がふかふかとやわらかく、玉ねぎがのびのびと育ちました。自然の力と人の手仕事がうまくかみ合った結果に、大きなやりがいを感じています。

果樹はすべて鉢植えで栽培しています。現在は、ブドウ、レモン、温州ミカン、モモ、ザクロ、イチジク、クルミなどを育てています。鉢植えの良さは、管理のしやすさと、果樹との距離の近さ。水やり、施肥、剪定といった日々の作業の中で、小さな芽吹きや蕾の変化にもすぐに気づくことができます。
たとえば、クルミの新芽が伸び、細かな産毛のような花芽を抱えている姿は、力強さと繊細さを兼ね備えた自然の造形美。レモンの木にはうっすらと紅色がかった蕾がつき、初夏の陽射しの中でふわりと花を開いています。温州ミカンの白い花も咲き始め、これからの実りを予感させる甘い香りが、風にのって庭を包み込みます。



野菜作りの魅力は、長期的な計画を立てるところにもあります。今まいている種や苗は、早ければ半年、遅ければ一年後に収穫となります。その時期に何を食べたいか、どう育てるかを考え、季節の流れと相談しながら準備を整えるのは、まるで季節を先読みする知恵比べのよう。未来の食卓を想像しながら作付けを組み立てる過程は、何よりも楽しい時間です。
もちろん、うまくいかないこともあります。病害虫に悩まされ、思うように育たなかった年もありました。でも、土や植物たちはいつでも新しい挑戦を受け入れてくれます。自然と向き合い、手をかけた分だけ応えてくれるこの時間が、今の私にとって何よりの癒やしであり、喜びです。
もし少しでも興味があれば、小さな鉢ひとつから、果樹や野菜のある暮らしを始めてみませんか?日々のなかに、土に触れる時間があるだけで、きっと世界の見え方が少し変わってくるはずです。

